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渡邉 憲夫; 平野 雅司; 吉田 一雄; 秋元 正幸
Proc. of ICNCA Nuclear Safety Culture Workshop, p.1 - 12, 1998/01
本報では、原研の研究施設で発生したトラブルに関し、その際の人間の行動に着目した分事例析の方法を紹介すると共に、分析の結果をセーフティカルチャーの観点から論じる。具体的には、トラブル発生時において、その対応をとるべき個々の人間の安全に対する考え方がどうであったか、また、その考え方が施設の「深層防護」設計にどのように影響を及ぼしたか等について検討し、その結果を紹介している。さらに、この検討結果を基に、国際原子力機関(IAEA)が提案している「セーフティカルチャー指標」についても、その有効性や問題点等を論じている。なお、本報は、豪州・原子力科学技術機構主催の「アジア地域協力セーフティカルチャー・ワークショップ」における討議資料として投稿と報告を依頼されたものである。
渡邉 憲夫
第35回原子動力研究会年会報告書, p.42 - 49, 1998/00
国際原子力機関(IAEA)では、原子力発電所における事故の発生防止を目的とし、ASSET(Analysis and Screening of Safety Events Team)による事例分析を通して教訓の導出並びに改善策の勧告等を行っている。ASSETによる基本的な活動は、事象報告書等の文書情報やプラント設置者との質疑応答に基づく広範な事例のレビューと重要事例の分析であり、これは、根本原因分析方法(ASSET手法)に従って行われる。ASSET手法は、各事例に対して、安全上重要な機器故障や運転員エラー等の不具合を同定し、その直接的な原因や、背後にある根本原因を明かにして、改善策の提案・勧告を行うというものである。本報告では、ASSET活動の概要と現状、及び、そこで用いられている事例分析方法(根本原因分析手法:ASSET手法と呼ぶ)の具体的な手順について紹介する。また、「もんじゅ事例」への適用を通して、ASSET手法における問題点や改良すべき点等についても言及する。
渡邉 憲夫; 平野 雅司; 及川 哲邦
JAERI-M 91-143, 173 Pages, 1991/09
本報告書では、原子炉停止時における崩壊熱除去機能の喪失に関する事例の分析結果を報告する。収集した事例は、PWRが206件(対称期間:1976年~1990年)、BWRが48件(同:1985年~1990年)である。事例収集にあたっては、米国の設置者事象報告(LER)やOECD/NEAの事象報告システム(IRS)等を参照した。米国PWRで発生した197件の事象を分析した結果、原子炉停止時に崩壊熱除去機能が喪失した事例の多くは、(1)余熱除去系(RHR)ポンプの吸込/隔離弁の閉止、(2)水抜き運転状態時のRHRポンプの空気巻き込み、(3)RHRポンプの駆動力喪失、のいずれかが直接的な原因となっている。また、その背後にある根本原因を分析すると、手順書の不備や運転員/作業員の誤操作等の人為的な要因が支配的となっている。一方、米国BWRで発生した48件の事象については、運転員/作業員の誤操作に起因する吸込/隔離弁の閉止によるものが最も多い。
松本 潔; 堀部 保弘*; 田辺 文也
JAERI-M 90-210, 222 Pages, 1990/11
TMI、チェルノブイル両事故をはじめとする原子力施設の事故・故障の発生、進展において、人的過誤が重要な役割を果たしている。したがって、原子力施設の安全性の一層の向上のためには、人的過誤の低減ないしはその影響緩和が肝要であり、このためには人的過誤発生の原因、機構、影響因子等の解明が必要である。この人的過誤発生の原因・機構等の解明に資することを目的として、原子力発電プラントの事故・故障等異常事象における人的因子の関わりを、米国で発生した7件の異常事象について、運転員の行動を中心に分析した。